消費者庁の説明では、通信販売は「広告を見た人から、通信手段で申込みを受ける取引」です。 広告はネット・新聞・雑誌など、申込みはネット・郵便・電話などが含まれます。 売る物は、商品だけでなく、権利やサービス(役務)も含まれます。
Brainで教材を売る、自分のLP(申込みにつなげるページ)から講座を売る。 どちらも、ページを見た人がネットで申し込むので、この形に当てはまります。
正式には「特定商取引に関する法律」です。 通信販売については、広告に書く項目、誇大な広告の禁止、返品の決まりなどが定められています。
特商法の決まりを守るのは「販売業者」や「役務提供事業者」(サービスを提供する人)です。 消費者庁の説明では、業として営むとは、営利の意思を持って、反復継続して取引を行うこととされています。
営利の意思があるかは、本人の気持ちではなく客観的に判断されると書かれています。 そして、この要件に当てはまれば、個人でも販売業者になると明記されています。
○ よくある勘違い:「会社ではないから関係ない」「副業だから関係ない」。公式の説明は、会社か個人かではなく、営利の意思と繰り返しで分けています
特商法第11条で、通信販売の広告に書く項目が決まっています。 消費者庁の一覧を、副業の販売に関係する順に並べ直すと次のとおりです。
| 項目 | 教材やデジタル商品での例 |
|---|---|
| 販売価格(送料も) | 9,800円(税込)。送料が要らない物はその旨 |
| 代金の支払時期と方法 | クレジットカード・申込み時に決済 |
| 商品の引渡時期(サービスなら提供時期) | 決済後すぐにダウンロードできる |
| 申込みの期間の定め(ある時だけ) | 「11月30日まで」と区切るなら、その内容 |
| 申込みの撤回・解除に関する事項(返品の決まりを含む) | No.02 で扱います |
| 事業者の氏名(名称)・住所・電話番号 | 第2章で扱います |
| 価格と送料以外に買う人が払うお金(ある時だけ) | 振込手数料など。内容と額 |
| 契約内容に合わない物を売った時の責任の定め(ある時だけ) | ファイルが壊れていた時の対応など |
| ソフトウェアの動作環境(ある時だけ) | ツールやアプリを売る時の対応OSなど |
| 2回以上続けて契約する必要がある時は、その旨と条件(ある時だけ) | 月額のサロン・定期購入 |
| 販売数量の制限など、特別な条件(ある時だけ) | 「先着50名」など |
この他に、法人の代表者の氏名、メールで広告を送る時のメールアドレスなどもあります。 どの販売ページにも関係するのは、価格・支払時期と方法・引渡時期・返品の決まり・氏名と住所と電話番号の5つです。 残りは、当てはまる売り方をする時だけ書きます。
表の中には「定めがある時だけ」書く項目があります。 見落としやすいのは、月額で続く契約です。
消費者庁の一覧には、契約を2回以上継続して締結する必要があるときは、その旨及び販売条件又は提供条件を書くとあります。 月額のオンラインサロンや、何回かに分けて届く講座を売るなら、ここが関係します。
特商法第12条は、著しく事実に相違する表示や、実際より著しく優良・有利だと誤認させる表示を禁止しています。 書く項目だけでなく、書き方の決まりもある、ということです。 言い方の話はNo.03(後で出ます)で、景表法(景品表示法。見せ方の決まり)と一緒に扱います。
ここは個人で売る人が一番迷う所なので、公式のQ&Aに書いてある事を順に見ます。
消費者庁の通信販売広告Q&Aでは、名前を書く理由を「責任の所在を明らかにすること」と説明しています。 そのため、法人でも個人でも、氏名または名称を書く必要があるとされています。
個人の場合は、戸籍上の氏名か、登記した商号を書きます。 通称・屋号・サイト名だけを書くことは認められないと書かれています。 「〇〇ラボ」というアカウント名だけでは足りない、ということです。
住所は「現に活動している住所」、電話番号は「確実に連絡が取れる番号」を書く、とQ&Aにあります。 私書箱は、住所を書いたことになりません。 営業していない夜の時間などは、留守番電話を使って構わないとも書かれています。
○ プラットフォームやバーチャルオフィスの住所・電話番号を書く場合、Q&Aでは次の3つを満たせば足りると考えられる、とされています
・販売の活動が、そのプラットフォームの上で行われている
・その住所と電話番号が連絡先として働くことに、両者が合意している
・運営する会社が、本人の今の住所と本人名義の電話番号を把握していて、確実に連絡が取れる
○ ただし、本人・プラットフォームの会社・バーチャルオフィスの会社のどれかが不誠実で、消費者から連絡が取れない事態になれば、表示の義務を果たしたことにはならない、とも書かれています
○ 使っているサービスがこの形に対応しているかは、各サービスの規約とヘルプで確かめてください
広告のスペースが限られる場合、次の2つがそろえば一部の項目を書かずに済む、と消費者庁は説明しています。
ただし、省略できない項目があります。主な物は次のとおりです。
省略できるのは、氏名・住所・電話番号、後払いの場合の支払時期、支払方法、すぐに(遅滞なく)渡す場合の引渡時期などです。 教材の多くは申込みの時に決済するので、前払いの側に入ると考えておくと迷いません。 つまり、名前や住所は「請求があれば出します」で省略できても、返品の決まりは省略できません。
○ よくある勘違い:「省略」は書かなくていいという意味ではありません。請求された時に遅滞なく出せることが条件です
○ 関係する単元:返品の決まりの書き方は No.02
ここまでで、自分のページの「特定商取引法に基づく表記」を一度開いてみてください。 表の項目が全部あるか、名前が屋号だけになっていないかを見ます。
個人でも売り続けるなら販売業者。表示の項目は決まっていて、名前は戸籍上の氏名。住所・電話は「請求があれば出します」で省略できるが、返品の決まりは省略できない。
問1 会社員のAさんは、副業でBrainの教材を毎月1本ずつ売っています。「会社ではないので特商法は関係ない」と考えています。公式の説明に照らすと?
問2 販売ページの表記の書き方で、Q&Aに合うのはどれ?
問3 「請求があれば遅滞なく提供します」と書いて省略しようとしています。省略できない項目はどれ?
問4 月額2,980円のオンラインサロンを売ります。第1章の一覧で、特に関係する「ある時だけ」の項目は?
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