ネットで物や教材を売る時の法律

区分1 ページに書く事(特定商取引法)★★★

No.01 特定商取引法で、ページに書く項目

販売ページに必ず書く項目の単元です。ネットで売るなら毎回関係するので、この回はしっかり読みます。項目は決まっているので、表と自分のページを見比べれば点検できます。
目次
  1. 第0章 前提知識
  2. 第1章 ページに書く項目
  3. 第2章 名前・住所・電話番号
  4. 確認問題

第0章 前提知識

① 通信販売 :ネットなどで広告して、通信手段で申込みを受ける売り方

消費者庁の説明では、通信販売は「広告を見た人から、通信手段で申込みを受ける取引」です。 広告はネット・新聞・雑誌など、申込みはネット・郵便・電話などが含まれます。 売る物は、商品だけでなく、権利やサービス(役務)も含まれます。

Brainで教材を売る、自分のLP(申込みにつなげるページ)から講座を売る。 どちらも、ページを見た人がネットで申し込むので、この形に当てはまります。

② 特商法 :通信販売などで、売り手が守る決まりをまとめた法律

正式には「特定商取引に関する法律」です。 通信販売については、広告に書く項目、誇大な広告の禁止、返品の決まりなどが定められています。

③ 販売業者 :売ることを「業として」している人。個人も入る

特商法の決まりを守るのは「販売業者」や「役務提供事業者」(サービスを提供する人)です。 消費者庁の説明では、業として営むとは、営利の意思を持って、反復継続して取引を行うこととされています。

営利の意思があるかは、本人の気持ちではなく客観的に判断されると書かれています。 そして、この要件に当てはまれば、個人でも販売業者になると明記されています。

○ よくある勘違い:「会社ではないから関係ない」「副業だから関係ない」。公式の説明は、会社か個人かではなく、営利の意思と繰り返しで分けています

第1章 ページに書く項目

① 書く項目の一覧 必ず覚える

特商法第11条で、通信販売の広告に書く項目が決まっています。 消費者庁の一覧を、副業の販売に関係する順に並べ直すと次のとおりです。

項目 教材やデジタル商品での例
販売価格(送料も) 9,800円(税込)。送料が要らない物はその旨
代金の支払時期と方法 クレジットカード・申込み時に決済
商品の引渡時期(サービスなら提供時期) 決済後すぐにダウンロードできる
申込みの期間の定め(ある時だけ) 「11月30日まで」と区切るなら、その内容
申込みの撤回・解除に関する事項(返品の決まりを含む) No.02 で扱います
事業者の氏名(名称)・住所・電話番号 第2章で扱います
価格と送料以外に買う人が払うお金(ある時だけ) 振込手数料など。内容と額
契約内容に合わない物を売った時の責任の定め(ある時だけ) ファイルが壊れていた時の対応など
ソフトウェアの動作環境(ある時だけ) ツールやアプリを売る時の対応OSなど
2回以上続けて契約する必要がある時は、その旨と条件(ある時だけ) 月額のサロン・定期購入
販売数量の制限など、特別な条件(ある時だけ) 「先着50名」など

この他に、法人の代表者の氏名、メールで広告を送る時のメールアドレスなどもあります。 どの販売ページにも関係するのは、価格・支払時期と方法・引渡時期・返品の決まり・氏名と住所と電話番号の5つです。 残りは、当てはまる売り方をする時だけ書きます。

② 「ある時だけ」の項目を見落とさない 必ず覚える

表の中には「定めがある時だけ」書く項目があります。 見落としやすいのは、月額で続く契約です。

消費者庁の一覧には、契約を2回以上継続して締結する必要があるときは、その旨及び販売条件又は提供条件を書くとあります。 月額のオンラインサロンや、何回かに分けて届く講座を売るなら、ここが関係します。

③ 誇大な広告も禁止されている さらっと

特商法第12条は、著しく事実に相違する表示や、実際より著しく優良・有利だと誤認させる表示を禁止しています。 書く項目だけでなく、書き方の決まりもある、ということです。 言い方の話はNo.03(後で出ます)で、景表法(景品表示法。見せ方の決まり)と一緒に扱います。

第2章 名前・住所・電話番号

ここは個人で売る人が一番迷う所なので、公式のQ&Aに書いてある事を順に見ます。

① 名前は戸籍上の氏名で 必ず覚える

消費者庁の通信販売広告Q&Aでは、名前を書く理由を「責任の所在を明らかにすること」と説明しています。 そのため、法人でも個人でも、氏名または名称を書く必要があるとされています。

個人の場合は、戸籍上の氏名か、登記した商号を書きます。 通称・屋号・サイト名だけを書くことは認められないと書かれています。 「〇〇ラボ」というアカウント名だけでは足りない、ということです。

② 住所と電話番号 必ず覚える

住所は「現に活動している住所」、電話番号は「確実に連絡が取れる番号」を書く、とQ&Aにあります。 私書箱は、住所を書いたことになりません。 営業していない夜の時間などは、留守番電話を使って構わないとも書かれています。

○ プラットフォームやバーチャルオフィスの住所・電話番号を書く場合、Q&Aでは次の3つを満たせば足りると考えられる、とされています
 ・販売の活動が、そのプラットフォームの上で行われている
 ・その住所と電話番号が連絡先として働くことに、両者が合意している
 ・運営する会社が、本人の今の住所と本人名義の電話番号を把握していて、確実に連絡が取れる
○ ただし、本人・プラットフォームの会社・バーチャルオフィスの会社のどれかが不誠実で、消費者から連絡が取れない事態になれば、表示の義務を果たしたことにはならない、とも書かれています
○ 使っているサービスがこの形に対応しているかは、各サービスの規約とヘルプで確かめてください

③ 「請求があれば出します」で省略する方法 必ず覚える

広告のスペースが限られる場合、次の2つがそろえば一部の項目を書かずに済む、と消費者庁は説明しています。

ただし、省略できない項目があります。主な物は次のとおりです。

省略できるのは、氏名・住所・電話番号、後払いの場合の支払時期、支払方法、すぐに(遅滞なく)渡す場合の引渡時期などです。 教材の多くは申込みの時に決済するので、前払いの側に入ると考えておくと迷いません。 つまり、名前や住所は「請求があれば出します」で省略できても、返品の決まりは省略できません。

○ よくある勘違い:「省略」は書かなくていいという意味ではありません。請求された時に遅滞なく出せることが条件です
○ 関係する単元:返品の決まりの書き方は No.02

ここまでで、自分のページの「特定商取引法に基づく表記」を一度開いてみてください。 表の項目が全部あるか、名前が屋号だけになっていないかを見ます。

個人でも売り続けるなら販売業者。表示の項目は決まっていて、名前は戸籍上の氏名。住所・電話は「請求があれば出します」で省略できるが、返品の決まりは省略できない。

確認問題

問1 会社員のAさんは、副業でBrainの教材を毎月1本ずつ売っています。「会社ではないので特商法は関係ない」と考えています。公式の説明に照らすと?

問2 販売ページの表記の書き方で、Q&Aに合うのはどれ?

問3 「請求があれば遅滞なく提供します」と書いて省略しようとしています。省略できない項目はどれ?

問4 月額2,980円のオンラインサロンを売ります。第1章の一覧で、特に関係する「ある時だけ」の項目は?

出典: