正式には「不当景品類及び不当表示防止法」です。 この講座で扱うのは、そのうちの「不当な表示の禁止」の部分です。 表示とは、広告・販売ページ・SNSの投稿など、商品を知らせるもの全体のことだと考えてください。
消費者庁の説明では、不当な表示の代表が2つあります。
| 呼び名 | 何について | 教材の販売での例 |
|---|---|---|
| 優良誤認表示 | 品質・規格など、中身について | 「誰でも月10万円」「確実に伸びる」 |
| 有利誤認表示 | 価格など、取引の条件について | 「今だけ半額」「通常価格29,800円」 |
どちらも、実際より(または他社より)著しく良い・得だと、見た人に誤解させる表示が対象です。 わざとでなく、誤って表示した場合も対象になると、消費者庁は説明しています。
○ 特商法にも誇大な広告の禁止(第12条)があります(No.01 第1章③)。言い方の点検は、この単元の考え方でまとめて行えば足ります
○ よくある勘違い:「法律で禁止された言葉のリストがある」。公式の説明は言葉の一覧ではなく、見た人が受け取る印象と実際との差で判断しています
ここが景表法で一番大事な仕組みです。 消費者庁は、表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を、事業者に求めることができます。 資料を出さないと、その表示は優良誤認表示とみなされる、と定められています(第7条第2項)。
消費者庁の表示に関するQ&Aでは、提出の期間は、文書で求めた日から原則として15日以内とされています。 つまり、求められてから資料を作るのでは間に合わないということです。
教材の販売ページで置き換えると、こうなります。
国民生活センターの2026年9月の発表では、ビジネス講座の相談の中に、「高収入が得られる」「簡単に稼げる」といった広告や勧誘をきっかけに契約し、説明のような収益が得られなかったという相談が挙げられています。 消費者へのアドバイスでも「短期間で必ず成果が出る」「簡単に稼げる」「受講料はすぐに回収できる」といった言い方には注意が必要、と書かれています。
買う人がこういう言い方を警戒するよう呼びかけられている、ということです。 自分のページにこの種の言い方があれば、根拠の資料があるかを確かめる所です。
消費者庁の「打消し表示」の調査のまとめでは、体験談を見た人は「大体の人が効果を得られる」と受け取ると整理されています。 「個人の感想です」「効果には個人差があります」と添えても、その受け取り方はほとんど変わらないと考えられる、とも書かれています。
体験談をねつ造する場合や、一部の都合の良い体験談だけを使う場合は、不当表示に当たるおそれがある、とされています。
同じまとめでは、誤解を招かないための表示として、調査した人数、そのうち体験談と同じような効果が出た人の割合、出なかった人の割合などをはっきり書くべき、とされています。
○ この調査のまとめは健康食品などの例が中心ですが、考え方は「体験談を使う広告」全体についての整理です
○ よくある勘違い:「個人の感想です」と書けば何でも載せられる。上のとおり、受け取り方はほとんど変わらないと整理されています
表示に関するQ&Aでは、体験談は、無作為に選ぶなど統計的に客観性のある調査でなければ、合理的な根拠と認められないとされています。 自社の従業員や家族の体験談、購入者から送られてきた体験談は、客観的に実証されたものとは認められない、とはっきり書かれています。
うまくいった受講者の声を集めて載せること自体は、よくある見せ方です。 ただ、それを「この教材は効果がある」ことの根拠にはできない、ということです。
Q&Aでは、「売上No.1」などの表示は、合理的な根拠が無く事実と違えば、不当表示になるおそれがあるとされています。 調査会社に頼んだ場合でも、責任は広告主が負う、とも書かれています。 「Brainで1位」と書くなら、いつの、どのランキングかを示せるようにしておきます。
「通常価格29,800円 → 今だけ9,800円」のような見せ方を二重価格表示といいます。 Q&Aでは、自分の「通常価格」を比べる価格にするには、それが最近相当期間にわたって販売されていた価格である必要があるとされています。 目安として、直近8週間のうち、その価格で売っていた期間が半分を超えていることなどが示されています。
一度も29,800円で売ったことが無いのに「通常価格29,800円」と書くのは、この目安に合いません。
消費者庁の有利誤認の説明では、基本の価格を示さずに「今なら半額!」と表示し、実際には半額とは認められない料金だった例が挙げられています。 また、Q&Aには、閉店の予定が決まっていないのに「閉店セール」を長く続けると、一時的な値引きだと誤解させて不当表示のおそれがある、という例があります。
「今だけ」「期間限定」と書くなら、本当にその期間で終わるかを確かめます。
強い言い方の近くに「※条件があります」のような注意書きを付けることを、打消し表示といいます。 消費者庁のまとめでは、注意書きの文字が小さい場合や、強い言い方から離れた所にある場合は、見た人が気づけないか読み終えられない、とされています。 スマホの広告では、畳まれた欄(アコーディオン)の中に注意書きがあるかどうかも、判断の要素に挙げられています。 強い言い方と注意書きの中身が食い違う場合も、問題になるおそれがあるとされています。
注意書きで補うより、強い言い方そのものを実際に合わせる方が確実です。
言い方は「見た人がどう受け取るか」と「根拠の資料があるか」で判断される。お客様の声は「大体の人に効く」と受け取られる。通常価格は実際に売っていた価格で。
問1 販売ページに「受講者の9割が1か月で収益化」と書きたいと思っています。この単元の内容から、先に確かめることは?
問2 これまで9,800円でしか売ったことのない教材に「通常価格29,800円 → 今だけ9,800円」と書きます。Q&Aの考え方に照らすと?
問3 購入者から送られてきた「この教材で月5万円稼げました」という声を、教材の効果の根拠にしたいと考えています。Q&Aに照らすと?
出典: